

1/48 タミヤのコルセア雑感 タミヤの傑作の誉れも高いヨンパチコルセアです。実際に作ってみると完璧でないことも確かでした。いえいえ,もとより私はキットには完璧さを求めてはいません。むしろエアフィックスやレベルの持つアウトラインの説得力こそ,強いモチベーションになるタイプであるのです。タミヤのコルセアにはしっかりしたフォルムと,細かなパーツの表情の両立があります。かつて,フラップダウンしたコルセアこそ男のロマン!と,オオタキ/アリイのキットの前でじっと腕組みし,ため息をついてあきらめるということを何度くりかえしたことか。あまつさえホビークラフトのキットでのフラップのパーツ割りはそんな私にとってすさまじいダメ押しだったのです。そこに現われたのがこのキットだったのですから,仮組みした時の感動ったらありませんでした。タミヤのキットの登場は,そういう(個人的)歴史的経緯の上でも,快挙でもあったのです。
いきなり脱線ですが,飛行機・AFV・F1でもなんでも『タミヤのデフォルメ』には論議が交わされます。しかしこのコルセアについては知る限りそのような指摘や論戦はありませんでした。
この点,コルセア好きの私個人の意見としても同様で,不思議なくらいでした。その思いを,先日のがらんどうさんの指摘が見事に氷解してくれました。曰く,『コルセアって飛行機っていう以前に,「メカ〜」って感じで...(以下省略)』そうなんですよ,メカなんですよ,ポン(膝を叩く)。私の作るプラモは『なんかなんでも茶色いですよね』(翼産会会員の妻・談)と称されるほどウエザリング過多な傾向があるのですが,どうも『タミヤのコルセア』に関してはそのテツを踏まなかったというか踏み切れなかった。実はスミ入れ技法も,エンジン,コクピット,脚回り,動翼のみです。クリ−ンに「仕上げたい」,という当方の狙いよりも,その時点で「仕上がっちゃった」感が強くあります。
手を止めたのではなく止まってしまった,腕がキットに追い付かなかった...。が〜〜〜ん。ではなぜ,それがよりによってタミヤでコルセアなの???
というところでがらんどうさんの発言。飛行機だと思うとなんかいろいろ思い入れが入るのですよ,だれでも,きっと。ところがメカ的な表情が勝ってる実機,CADでバリバリ設計したキット。ここに幸せな邂逅があったのではないかしらん?ほんと,欲はあるけど文句ないんだわさ,このキットには。そう,確かに名キットです。タミヤ製いやさ日本製では希有な,箱を開けただけでうなっちゃうよな。やっと話は戻りますが,それでも完璧ではないと思うのは,キットとしての完成度に比べて,そこから飛躍して行く,膨らんで行く部分が多くないこと。腕の見せ所と言っては自分がみぢめになるので,発想の見せ所というか,個性の付けどころというか。たしかに翼の折り畳みはあるけど,ヘルキャットのように表情が出るでなし,見えないところが多くなるし。いやまぁ,このへんはお前の腕が悪いということで済ませてしまえるけど,折り畳み優先で強度が落ちてたり,フラップ下げたところにぼっかり穴が開いてたりってのはちょいとね。いや,無理しなさんな,後はこっちでやるからって声をかけたくなる点,なきにしもあらずということです。
この『後はこっちでやるから』という思いは,同社1/32の零戦登場の際に再び思ったものです。
その際に確信したのは,タミヤは『キットの傑作』を作りたいんだなぁ,ということ。一方で自分は,『傑作が作れるキット』が欲しいんだなぁ,ということ。思い入れがカタチになって佇んでいる作品を見る時,私は目や足が止まります。自分でもそういう作品が作りたいなぁ,見てもらえたら,伝わったら,と思います。
タミヤのコルセアは,リベンジすべき私の試金石であり,愛憎半ばするキットなんだと思います。
なんで横浜弁なのかはさておき,コルセアC型の製作は,同じくタミヤのムスタングC型の製作と同時にはじまりました。てのは結果論で,この2機は,MA誌別冊で紹介された,かの『関谷塗り内装編』の練習台として開封されたのでありました。
当時の私の課題として,コクピット塗りメソッドを確定しないと量産できんな,という思い込みがありまして。で,注目していた関谷氏が誌上で手順を開示してくれたのをきっかけに,あ,すべてのなんたらはモホーにはじまる,とかつぶやきながら,作例と同じキットを写真通りに塗ってみたのでありました。首尾は上々,サルマネくらいはオレでもできるのだな,よしよし,としまいこんでまた月日は流れる。
で,仕事のトラブルもあって,久々の模型製作,必ず完成!でやろうと思い立った際に,既にコクピットとか塗り終わってたこの2機に白羽の矢が立って,最初は二機同時竣工が目標,タミヤを素組ではあんまりだから,どっちもC型にしてやれ,と。コルセアは20mm四門に,ムスタングは背ビレを付けてマルコメフーズじゃなくてマルコムフードに,てな目論見でした。まずはコルセアの方が楽しそうだな,フラップ下げられるし。さっさとパネルラインを埋めて,資料を開くと,載ってないじゃん。あれにもこれにも。
※ムスタングC型(自称)については別項にて近日公開予定。
案外つらいな米軍機 思うに,本国では本物がぶんぶん飛んでるので,カメラ持ってイベントに行ってくれば,なにも資料を買わなくて済むもんね。まして米軍的にはすっげぇ中途半端な200機ばっかりの生産数のサブタイプでは,誰も見向きもしないのだろう。流石アメリカ的です(涙)。つまりC型ってよくわかんないのでした。
一番参考になったのは,実は世界の傑作機のいちばん古い版でした。おなじみの三色塗りのC型の写真ですけどね。あとはデテスケ。塗りの参考はインアクションの新版とオスプレイ。で,20mmの艤装ですけど,デテスケなどで見られる無塗装機体の艤装のアップは,モックアップと思います。機関砲二門は主翼正面から見て中心線上に装備されてて,銃尾をクリアするもっこりがふたつ,主翼上面に出ていますが。このもっこりくんは工場の完成記念写真や前線での写真では確認されませんです。
むしろそれらの写真ではっきりわかるのは,二門がP47みたいに中心線から次第にオフセットされて並んでるな,ということ。でも図面でそうなってるのってほぼないんだよぉ。まして主翼のパネルラインがどう変わったのか。かろうじてデテスケの図面で少々やってくれてるだけで,下面など謎のまま。おそらくは-4B以降と大体同じなんだってこととは思うのですが。
数少ない写真をよ〜く見ると,どうも穴が大2ケ,小2ケある。薬莢のエジェクションと,ガス抜きだろうなと考えてますが,どうだか。ついでに銃本体の先端,戦車で言ったら(意味不明でスマン)マズルブレーキみたいなやつのカタチもハッキリはわからなんだ。と,いうわけで作例には資料的価値はほとんどありません。
スリープ付きの砲身は,なつかしやコントレールのプラパイプと鉄道模型店で買って来た真鍮パイプの組み合わせ,マズルブレーキみたいな先ッチョは,1/43のラリーカー用アンテナ基部byさかつうを流用。これはシャープに決まって結構でした。真贋はさておき,ね。
上面のパネルラインは,デテスケの後ろに載ってる解説を参考に,タミヤのキットの齟齬を訂正し(実はしきれてない...),機銃が四門になった風に直した。一方,下面は資料探索をあきらめて,異物侵入防止ガムテープという風に,白いデカールを貼って我慢していただくこととなった。
涙滴ライトは昔買ったやつを穴開けて埋め込み,ついでにアンテナ碍子もこいつで表現。この頃見ないな,と思ったら,カッティングエッジやCMKから類似品登場で一安心。エンジンのパイピングはエナメル線付けっぱなしの無塗装,違和感なし,でもときどき落ちてくる...。
デカールはマイクロ。C型のデカールは他社含めてこれだけかな。シャングリラの11番。どうも左の下面にも電光マークがあるらしいとは,21世紀になってから気が付いた。
いやむしろ問題は,機体の色と国籍マークの色味のバランスが逆だな,と。国籍マークの方が『暗い』色のはずなんだなぁ,実際は,たぶん。でもデカール単体で見ると,こっちの色味が良かったんだもんね。あ,マイクロの米軍機マークって,並べるとね,大別して二色あるのよ。ほんと。明るい(作例に使用)のともっと濃い,深いのと。
塗ったブルー自体は,仙台翼産会の遠藤名人指導による『海軍のブルーはね,ミドリで調整するんですよ〜〜〜(原文ママ)』による。これ,有効な方法と思いますが,話すと長くなるし,うそみたいな話なのでなかなか納得してもらえんし,詳細はいずれ別の機会にて。
すこしツヤが欲しかったので,ほとんどクリアブルーってなクリアでオーバースプレーしてたら,カブリはじめた。うわっと思って乾燥させてたら,なんか筋彫りのカドだけが白化して,明るい色で墨入れ(言語的には矛盾しとるな)したみたいになっちゃった。
お,いいぞいいぞとウエザリングをはじめたのですが,パート1で述べたように手が止まっちゃったですよ。でもまぁ,かっこいいのでそのまんまです。ツヤもそこそこ出たし。偶然の賜物だ。模型の神様ありがとう(自己満足)。と,いうわけで作例には技術的価値もほとんどありません。
「C型は,型番だけがD型の前で(その仕様に1A型との折衷部分はなく)まったくもってD型ベースである」。この事をちゃんとシリアル等をもって理詰めで日本語ではっきり示してくれたのは,牧さんだけでした。たったこれだけのことを,ちゃんと示すことができる人が,他にはいなかったんです。これってどういうことなんだろう?
そのことを,ときどき思い出しては考えています。だからこいつを作ったのは,少なくとも私にとっては,意味があったんだと思ってます。
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